ドラム式洗濯機のドアを開けたら、カビっぽいにおいや、生乾きのようなにおいがする。洗ったはずの洗濯物まで臭う。そんなお悩みはありませんか。
結論からお伝えすると、ドラム式洗濯機のにおいの多くは、洗濯槽の裏側・ドアのゴムパッキン・フィルター・排水口にたまった汚れと、そこで増えたカビや雑菌が原因です。まずは槽洗浄(洗濯槽を洗う運転)と、パッキン・フィルター・排水口の掃除を試してください。ただし、焦げ臭いにおいがするときは、すぐに使うのをやめてください。
この記事では、においの種類ごとの原因と、自分でできる対処、やってはいけないこと、プロの分解洗浄を考える目安を、メーカー(パナソニック・日立・シャープ・東芝)の公式情報と、カノエの現場で見ていることをもとにまとめました。
まず確認:焦げ臭いときはすぐに使用をやめる
焦げ臭いにおいは、汚れではなく、本体の不具合の可能性があります。パナソニックと日立は、焦げ臭いにおいがするときは使用をやめ、点検を受けるよう案内しています。
- すぐに運転を止め、電源プラグを抜く
- そのまま使い続けない
- 購入した販売店か、メーカーの修理窓口に点検を相談する
掃除で直るにおいではないので、まずは点検を受けてください。
においの種類でわかる主な原因
日立は、においの種類によって原因や対処が違うと案内しています。まずは、どんなにおいかを確かめてみてください。
1. カビ臭い・生乾きのにおい:洗濯槽の裏側の汚れ
まず考えられるのが、洗濯槽(ドラム)の見えない裏側の汚れです。
- シャープは、洗濯槽の裏側などに付いた皮脂汚れや洗剤カスに雑菌が増えて、においの原因になると説明しています。
- 日立によると、カビは洗濯後に残った湿気と、洗剤カスや皮脂汚れを栄養にして発生します。洗濯槽の外側や底面などは、とくに汚れが付きやすい場所です。
- パナソニックによると、洗剤と汚れが結びついた洗剤カスにカビが増えると、黒カビになります。
ドラムの内側がきれいに見えても、裏側に汚れがたまっていることがあります。
カノエの現場では、乾燥機能をあまり使わない洗濯機ほど、カビや水あかがたまって、洗濯物のにおいにつながりやすいと感じています。洗濯のあとの水分が、中に残りやすいためです。湿気のこもりやすい場所に置かれた洗濯機も同じです。反対に、乾燥をよく使う洗濯機は、中が乾くのでカビは付きにくい一方、タオルなどから出たホコリが内部にたまりやすくなります。
2. ドアのゴムパッキン
ドアのまわりのゴムの部分(ドアパッキン)も、においの原因になりやすい場所です。
パナソニックによると、パッキンのまわりや、めくった裏側には糸くず・水滴・髪の毛・乾燥のときのほこりがたまりやすく、お手入れをしないと、水がたまる、水が漏れる、臭うといった原因になります。
パッキンの汚れは、カノエでもよくいただくご相談の一つです。パッキンへのホコリのたまり具合は、クリーニングを考える目安の一つとしてもご案内しています。
3. フィルターの目詰まり
日立は、乾燥フィルターや糸くずフィルターにごみがたまって目詰まりすると、においの原因になると案内しています。パナソニックも、排水フィルター(排水するときのごみを受け止める部品)にごみがたまると、においの原因になる雑菌が増えるとしています。
フィルターの名前や場所は、メーカーや機種によって違います。
4. 洗剤・柔軟剤の量が合っていない
洗剤や柔軟剤は、多ければよいわけではありません。
- 日立:入れすぎると、溶け残った洗剤でカビが増える原因になる
- パナソニック:洗剤が少なすぎると汚れが残り、多すぎるとすすぎが足りなくなる。柔軟剤が多すぎると、汚れが再び付く原因になる
5. 下水のようなにおい:排水口・排水トラップ
下水のようなにおいは、洗濯機の中ではなく、排水口から上がってきていることがあります。
排水口には「排水トラップ」という、水をためて下水のにおいが上がってこないようにするしくみがあります。パナソニックによると、この水がなくなるとにおいが上がるおそれがあり、とくに乾燥運転のあとは、空気の圧力で水が飛ばされることがあります。
シャープは、乾燥フィルターが詰まると、運転中に排水口の方へ空気が流れやすくなり、異臭の原因になることがあるとしています。
カノエのスタッフが受けている研修でも、次のような注意点が共有されています。
- 長く家を空けたあとや夏場は、排水トラップの水が蒸発して減ることがある
- 排水管の中の空気の圧力が変わると、排水トラップの水が吸い出されて減ることがある
- 高層マンションや気密性の高い住まいでは、洗濯機の中をきれいにしても、排水口からのにおいが出やすいことがある
このように、下水のようなにおいは、洗濯機を分解洗浄しても消えないことがあります。
6. 買ったばかりのゴム・プラスチックのにおい
購入してしばらくは、ゴムや樹脂の部品からにおいがすることがあります。乾燥運転の熱で感じやすくなることもあります。
パナソニックは、衛生上の問題はなく、使ううちに自然になくなると説明しています。日立は、運転を繰り返すと、2〜3週間ほどを目安に少しずつ減るとしています。改善しない場合は、販売店かメーカーの窓口に相談してください。
7. 乾燥のあとに臭う
乾燥のあとに臭うときは、乾燥フィルターの目詰まりや、本体の中の乾燥経路(温風の通り道)の汚れが考えられます。シャープは、乾燥運転をよく使う場合、内部の乾燥経路に汚れがたまったり、詰まったりしている可能性があるとしています。
乾燥時間が長い、乾きが悪いといった症状もあるときは、ドラム式洗濯機が乾かない・乾燥が遅い原因4つで、原因の見分け方をくわしく紹介しています。
においの種類で見分ける目安
- カビ臭い・生乾きのにおい:洗濯槽の裏側、ドアのパッキン、フィルターの汚れ
- 下水のようなにおい:排水口の汚れ、排水トラップの水切れ
- ゴム・プラスチックのにおい(購入直後):部品のにおい。しばらく様子を見る
- 焦げ臭いにおい:故障の可能性。すぐに使用をやめる
自分でできる対処
槽洗浄コースを定期的に使う
洗濯槽の裏側には手が届かないので、槽洗浄コース(洗濯槽を洗うための運転)で汚れを落とします。使うのは塩素系の洗濯槽クリーナーか、衣類用の塩素系漂白剤です。
頻度の目安は、メーカーによって違います。
- パナソニック:衣類用の塩素系漂白剤で月1回程度。黒カビが出たら洗濯槽クリーナーで洗う
- 日立:「自動おそうじ」を使っている場合は3〜4か月に1回、使っていない場合は1〜2か月に1回
- シャープ:カビ・汚れ・においの予防に、洗濯槽クリーナーで1か月に1回程度
- 東芝:衣類用の塩素系漂白剤 約300mLで運転。時期の目安は機種によって違う
コースの名前や時間、入れる量も機種によって違います。お使いの機種の取扱説明書を確認してください。運転するときは換気をし、衣類は入れません。パナソニックは、終わったら排水フィルターや排水口も掃除するよう案内しています。
なお東芝は、内部の汚れがひどいと1回では取りきれず、次の運転で汚れが出てくることがあるとしています。
ドアのゴムパッキンを拭く
パナソニックは、使うたびに、ドアの内側、パッキンのまわり、めくった裏側をやわらかい布で拭くよう案内しています。シャープは、水を含ませて固く絞った布で拭く方法を紹介しています。
- めくった裏側の糸くずや水滴を、とくにていねいに拭き取る
- パッキンの下側にある水抜きの穴にごみが詰まっていたら、綿棒などで取る(パナソニック)
- パッキンが破れたり外れたりしたら、交換が必要(パナソニック)
フィルターを掃除する
- 乾燥フィルター:パナソニック・日立・シャープとも、乾燥運転のたびのお手入れを案内しています。自動でお掃除する機能がある機種は、取扱説明書の頻度に従ってください。
- 排水フィルター・糸くずフィルター:頻度はメーカーや機種で違います。パナソニックは週1回が目安です。日立は、本体に「フィルター確認」などのお知らせが出たら掃除するよう案内しています。
排水フィルターを外すときは、先に脱水運転をして水を抜き、下に容器を置きます。運転中に外すと、たくさんの水があふれるおそれがあります。掃除のあとは、しっかり取り付けてください。
排水口を掃除して、排水トラップに水をためる
日立と東芝は、排水口の掃除を月1回を目安にすすめています。日立は、掃除のあとに排水トラップへ水を注ぐよう案内しています。パナソニックは、洗いと脱水の運転をして、排水トラップに水をためる方法を紹介しています。
排水口が洗濯機の真下にあって、自分で洗濯機を動かせない場合は、無理をしないでください。日立は、清掃業者や住宅の管理会社などへの相談を案内しています。
カノエの現場でも、洗濯機の下の排水口は、衣類から出たホコリやカビでひどく汚れていることが多く、詰まると排水のエラーが出て、洗濯機が使えなくなることもあります。ドラム式洗濯機はとても重く、動かして掃除するのは大変で危険です。私たちは、洗濯機のクリーニングとあわせて、洗濯パン(洗濯機の下の受け皿)と排水口の清掃や、洗濯機を動かさずに排水口を掃除しやすくする「かさあげ台」の設置も承っています(いずれも別料金)。
なお、排水口だけを掃除しても、洗濯機の中にたまったホコリが運転のときに流れてきて、また詰まることがあります。部品を外して洗ったときは、排水トラップと洗濯機の排水ホースが確実に取り付けられているかを確かめてください。洗濯機の排水まわりは、水漏れが起きやすい場所です。
洗剤・柔軟剤を適量にする
洗剤の容器や洗濯機に表示される使用量を目安に、適量を入れます。多すぎても少なすぎても、においの原因になります。
洗い終わったら、すぐに取り出す
ぬれた洗濯物を入れたままにすると、雑菌が増えて、生乾きのようなにおいの原因になります(シャープ・日立)。洗濯が終わったら、すぐに取り出して干しましょう。
風呂の残り湯にも注意が必要です。日立は、残り湯の雑菌がにおいの原因になるとして、使うのは「洗い」だけにするか、控えるよう案内しています。パナソニックも、すすぎには水道水をすすめています。
洗濯のあとは槽を乾かす(ドアの扱いはご家庭に合わせて)
洗濯のあとの湿気は、カビの原因になります。ただし、乾かし方はメーカーによって案内が違います。
- 日立:運転していないときは、ドアを開けて乾かすことをすすめています(小さなお子さんが中に入らないよう注意)。「槽乾燥」コースがある機種は、洗濯のあと毎回の運転をすすめています。
- パナソニック:使っていないときはドアを閉めるよう案内しています。開けたままだと、子どもがドラムに閉じ込められるおそれがあるためです。湿気対策には、週1回程度の乾燥運転や、自動お手入れ機能を案内しています。
- 東芝:乾燥機能をほとんど使わない場合は、週1回の「槽乾燥」コースをすすめています。
消費者庁も、ドラム式洗濯機に子どもが入り込む事故を受けて、使っていないときは扉を閉めて、チャイルドロックを使うよう呼びかけています。小さなお子さんやペットがいるご家庭では、ドアは閉めて、槽乾燥などの機能で湿気を飛ばしてください。
やってはいけないこと
- 酸素系漂白剤や台所用漂白剤で槽洗浄する:泡が大量に出て、故障や水漏れの原因になります(日立・シャープ)。パナソニックも、泡が立ちすぎて途中で排水されるおそれがあるとして、使わないよう案内しています。
- 塩素系のクリーナーと、酸性タイプの洗剤を混ぜる:有毒な塩素ガスが出て危険です(パナソニック)。
- 洗濯槽クリーナーを24時間以上入れたままにする:故障の原因になります(パナソニック)。
- 本体に消臭スプレーをかける:本体の故障や破損の原因になります(パナソニックの取扱説明書)。
- 乾燥フィルターの差し込み口の奥に、指や棒を入れる:けがや故障の原因になります(日立)。
- 自分で分解する:パナソニックの取扱説明書では、発火や異常な動きによるけがのおそれがあるとして、分解・修理・改造をしないよう書かれています。
プロの分解洗浄を考える目安
次のようなときは、洗濯機の部品を外して洗う分解洗浄を考えてみてください。
- 槽洗浄や、パッキン・フィルター・排水口の掃除をしても、においがすぐに戻る
- 槽洗浄をしても、はがれた汚れが洗濯物に付く
- 乾燥をよく使っていて、乾燥のあとのにおいや、乾きの悪さが気になる
ただし、焦げ臭いときや、お手入れをしても水漏れが続くときは、掃除ではなく修理が必要なことがあります。まずは販売店やメーカーの窓口に相談してください。
分解すると見えてくる、においの元
分解すると、ふだんは見えない場所に汚れがたまっているのをよく見かけます。
- 脱水槽カバーの裏側:洗濯槽をおおうカバーで、ホコリがたまりやすい場所です。ぬれたホコリが温風の通り道をふさぐと、生臭いにおいや乾燥の遅れにつながります。
- カバーや外した部品の裏側:水分と洗剤カスが残りやすく、黒カビやヌメリが付いていることがあります。本体だけきれいでも、カバー側ににおいの元が残っていると、またにおいが気になりやすくなるため、分解洗浄では外した部品も一つずつ洗います。
- 乾燥の通り道やフィルターの奥:フェルトのように固まったホコリがたまっていることがあります。
私たちは洗浄の前に、分解した状態をお見せしています。作業のあとは、すき間に残っていた小さなゴミが出てくることがあるため、試運転が終わってからお使いいただくようお願いしています。
ただし、においの原因が排水口や部品の不具合にある場合は、洗濯機の中をきれいにしても消えないことがあり、分解洗浄で必ずにおいが消えるとはお約束できません。ご相談のときは、いつからにおうか、乾燥時間の変化、エラー表示や水漏れの有無、ふだんのお手入れの状況も伺い、お手入れで対応できるか、分解洗浄やメーカーの点検が必要かをご案内します。
カノエのドラム式洗濯機クリーニング
私たちおそうじ本舗カノエグループでは、ドラム式洗濯機のクリーニングを3つのプランでご用意しています。
- スタンダード:18,700円(約2時間)。洗濯機本体の外側・内側と、脱水槽を分解せずに洗浄
- 完全分解:38,500円(スタンダード+完全分解洗浄オプション19,800円)。洗浄のじゃまになる部品を取り外し、すみずみまで洗浄
- 乾燥機能分解:27,500円(約2.5時間・一部機種限定)。本体を分解し、乾燥ダクトなどを洗浄
料金は税込・1台あたりで、おそうじ本舗公式の価格です。製品の劣化の状況やメーカーによっては、完全分解洗浄ができない機種があります。乾燥機能分解は、パナソニックのプチドラム(NA-VD)・キューブル(NA-VG)は対象外です。また、すべてのカビや汚れを取り除けるものではありません。
ご相談のときは、メーカー名・型番・使用年数・気になる症状をお知らせください。プランの違いや作業の流れは、ドラム式洗濯機クリーニングの料金ページにまとめています。お電話(0120-19-7576、受付 10:00〜18:00)やLINEでもご相談いただけます。
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